書道家・石田萬世による「伊賀と都島の楽しみ方」

伊賀市在住の書道家による伊賀市と大阪府都島の紹介ブログ

収める・納める・治める・修めるの区別

こんにちは。日本書道芸術院の理事・審査員の石田 萬世(@bansei_info)です。
今回も言葉の勉強シリーズです。今回は「おさめる」という言葉の感じの違いです。
それでは、それぞれ見ていきましょう。
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収める

①中に入れる・しまう・記録する
(財布にお金を収める。カメラに収める)
②自分のものにする・結果を得る
(成功を収める。勝利を収める)
③静める・元の安定した状態にする
(怒りを抑える。地震が収まる)

①②③ともにニュアンスがだいぶ変わりますね。もともとあった場所に戻す、というようなニュアンスでしょうか?

納める

①あるべきところに入れる
(倉庫に納める)
②渡すべき金や物を払う・渡す
(税金を納める。品物を納める)
③終わりにする
(仕事納め。見納め)
④任務に就任する
(会長の地位に納まる。社長の椅子に納まる)

「中に入れる」「あるべき場所に入れる(入る)」というニュアンスですね。他には、地位や終了とするときにもこの納めるという文字を使います。

治める

①統治する
(国を治める)
②苦痛が去る
(腹痛が治まる)
③静める・混乱した状態を元に戻す
(騒ぎが治まる。腹の虫が治まらない)

なぜ国を治めると腹痛が治まるのが同じ漢字なのかとも思いますが、「望ましくない状態が望ましい状態に復帰する」というニュアンスで考えれば納得できなくもありません。

修める

①学問などを習得する
(学問を修める。フランス語を修める)
②心や行いを正しくする
(身を修める。素行が修まらない)

能力を習得する、というイメージでしょうか。内面的な意味では修めると表記すると考えて間違いなさそうです。

見比べてみると、「収める」と「納める」の区別が難しいように思います。

「納める」の場合は、
「おさめる場所、当然のものを入れる」
という意味が強調されています。

義務としての「納める」
だと思ってもらっても結構です。

例えば
「納骨」や「納棺」
などは、亡くなった人の骨や痛いを箱の中に入れる行為です。

「入れても入れなくてもいい」ということではなく、
人間としての義務としての行為です。
また、税金を「納める」ことや、
保険料の「納付」なども国民としての義務ですよね?

このように、義務的な意味が強調される場合は、「納める」の方を使うのです。

いかがでしょうか?
私も間違えそうだったので、今回は勉強になりました。
参考サイト:
収める・納める・治める・修めるの違いとは? https://kokugoryokuup.com/osameru-difference/

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【講師】
日本書道芸術院 理事・審査員
石田 萬世(いしだ ばんせい)